ニュース・フラッシュ
2011年1月24日
北京
土居正典2011. 1. 21 金属企画調査部 渡邉美和
中国:「レアアース工業汚染物排出標準」まもなく公布、コスト大幅増加か
地元報道によると、「レアアース工業汚染物排出標準」が、先日、環境保護部の審査を通過し、早ければ2011年2月にも発表される見通しとなった。
この標準はレアアースの採掘廃水の排出やレアアース産業でのエネルギー消費基準を厳密に規定したもので、消息筋によれば国内精錬・分離企業の90%はこの基準をクリアー出来ないとのこと。環境保護部は2~3年以内の猶予期間を設けて新標準を満たすよう、施設増設や改造などを促進させるが、これに要する費用は10億元(1.5億US$)にも達するとの計算もある。
関係者によれば、この新標準適用により、旧式生産設備の淘汰がいやおうなく進められるとともに、技術力や資金力の乏しい民間小企業も淘汰されるという。さらにコスト増加から輸出価格の大幅上昇も必至とのことである。環境汚染の減少とともに輸出も減少することは、別の一面から見れば資源保護の第一歩となるとの見方もある。