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ニュース・フラッシュ

鉱種:
ベースメタル
2011年1月31日 リマ 山内英生

ボリビア:Karachipampa鉛・銀製錬所、ボリビア政府が2011年末の操業開始を計画

 2011年1月26日付け地元各紙によると、ボリビア政府はAtlas Precious Metals社(カナダ)から返還されたKarachipampa製錬所の操業を、遅くとも2011年末までに開始する意向を明らかにした。これに関して、ボリビア鉱業冶金省のBeltran局長は、COMIBOLは同製錬所の操業開始に向けた資金20百万US$の用意があることを明らかにした。
 Karachipampa鉛・銀製錬所は、1982年から85年にかけて180百万US$を投じて建設されたもので、当時における最先端の製錬設備を備えていたが、その後の金属価格の低迷によって原料となるボリビア国内の精鉱供給量が操業に必要な量を満たさなかったことから、その後1度も稼働していない。
 その後、2005年にAtlas Precious Metals社がCOMIBOL(ボリビア鉱山公社)との間で、118.5百万US$を投資して同製錬所を拡張し、2010年6月までに亜鉛地金を年間7万t、鉛地金を3万t生産する契約を結んだが、同社による投資額は2.37百万US$に留まり、期限までに操業を開始することができなかったことから、政府は同社から2010年7月に契約保証金75万US$を徴収した。
 これに対してAtlas Precious Metals社は、実際には12百万US$の投資を行ったとして75万US$を返還するようボリビア政府に対して求めており、政府の対応如何では国際司法機関に申し立てる意向を表明しているが、政府は同製錬所の返還はAtlas Precious Metals社との友好的対話の結果であり、75万US$の返還に関しては国家法務弁護省が検討中であると表明している。
 なお、鉱業冶金省は2011年末までに操業を開始したいとの意欲を示しているが、具体的計画に関しては発表していない。

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