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米:レアアース関連法案を下院に提出
2011年2月10日、Leonard Boswell下院議員(米国IA州選出、民主党、当選3回)により、米国第112議会下院にレアアース関連法案(H.R.618)が提出され、下院科学宇宙技術委員会に審議が付託されることとなった。
本法案は、正式名称「To develop a rare earth materials program, to amend the National Materials and Minerals Policy, Research and Development Act of 1980, and for other purposes」、略称「Rare Earths and Critical Materials Revitalization Act」と呼ばれるもので、防衛産業等多数のハイテク産業に必要不可欠な金属鉱物の米国における供給不足問題を解決し、レアアースの中国に対する依存度を低減させることを目的としている。
本法案の提出にあたりBoswell下院議員は、「将来の米国経済及び安全保障を保護するために欠かせない法案」であり、「中国はこれら鉱物資源の戦略的備蓄制度を構築しつつあり、我が国は兵器誘導システムや風力発電用モーターなどの製品を製造する際に中国に依存している。我が国は、以前のように独自のレアアース供給体制を持つことが可能であり、本法案がその道筋を示す。」と述べている。
本法案は、エネルギー省に対して、鉱山での生産、製品の製造からリサイクルまで、レアアースのライフサイクル全般にわたっての技術開発・研究計画を策定させるとともに、私企業による技術開発を促進させるために現在の債務保証制度を拡充することも目的としている。また、レアアース代替物及び使用量低減の開発も行うとしている。
なお、第111議会に提出されていたレアアース関連法案(S.3521, H.R.6160, S.4031, H.R.4866)は、第111議会の閉会に伴い廃案となり、本法案が第112議会で最初に提出されたレアアース関連法案である。