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ニュース・フラッシュ

2011年2月14日 ロンドン フレンチ香織

南ア:Shabangu鉱物資源大臣によるMining Indabaでの講演概要

 南アのShabangu鉱物資源大臣は2011年2月8日、ケープタウンで開催されたMining Indaba(2/7~2/10)において基調講演を行った。2010年は鉱業憲章見直しの発表をはじめ、鉱業権・探鉱権のオーバーラップ問題が浮上し、鉱物資源省からは鉱業法の明瞭化、そして探鉱・鉱業権の管理組織の改革が発表されたことから、多くのIndaba参加者が聴講に集まった。
 Shabangu大臣の基調講演の全文は、南ア政府情報(www.info.gov.za)より入手できるが、発言の概要は以下のとおりである。
[1]南アの政府、労働、産業の3分野からの利害関係者タスクチーム(MIGDETT)によって、(鉱業権のオーバーラップを招いた)現行の鉱業関連法の曖昧な点を確認できた。
[2]2010年初頭に発表した、(鉱業権・探鉱権等に関する)新規オンライン地籍管理システムを、2011年2月7日に開設。従来のNational Mining Promotion System(NMPS)がさらに改良される。
[3]現行の鉱物・石油資源開発法(以下、MPRDA:2002年制定、2004年施行)に則して認可された探鉱権を分析していると、企業には「実際には探鉱を行っていないが、探鉱権を’買い溜める’動き」が見られる。現法の’Use it or lose it’の精神で、法律違反と見なすべき状況も考えられる。なお、MPRDA施行から現在までに800件以上の本違反の通知が発行された。
[4]同省の管理能力を向上させるために、鉱業権・探鉱権のオーバーラップ件数を調査した。MPRDAが開始して以来26,000件の申請を確認したが、二重許可は122件であった。今回の審査から学んだ教訓は、今後のMPRDA遵守審査に於ける方針に盛り込む。
[5]鉱業に於ける調査・開発分野への投資が少ないことを懸念している。同国では鉱業分野での優秀な研究機関があり、例えば、MINTEKは水やエネルギー消費の効率化に関する研究プロジェクトを着手しており、南ア地球科学研究所(CGS、Council for Geoscience)は南ア国内での採取可能な石炭資源のマッピングに注力している。
[6]Anglo Americanの地域への利益還元は賞賛に値する。最良モデルとして他企業も見習っていただきたい。
 地元の鉱業関連誌によれば、[1]に関しては、現行の鉱業関連法の明瞭化を目的としたMPRDAの見直しは現在も実行中で、Shabangu大臣は「2011年末までには改定案が議会を通過するようにしたい」と発表している。[2]に関しては、公民を含む利害関係者全員が鉱物資源省のウェブサイトを使って、『探鉱・鉱業権のステータス情報』にアクセスできるようになると言われているが、今のところ簡単なウェブサイトとなっている。また、本管理システムの導入により、同省は探鉱権の申請受付を一時停止していたが、2011年3月1日から環境面の懸念が残るMpumalanga州以外は探鉱権を申請できるようになる。

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