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ニュース・フラッシュ

鉱種:
ベースメタル
2011年3月2日 モスクワ 大木雅文

カザフスタン:ENRC、銅生産でKazakhmysを追い抜く投資計画を明言

 現地報道等によると、カザフスタンの鉱山会社Eurasian Natural Resources(ENRC)(注1)が、2011~13年に、同国内に55億US$、国外に40億US$の投資を行う計画を報じている。
 同社出資者の1人であるアレクサンドル・マシケヴィチ氏が同社傘下のカザフスタン・アルミニウム社との会合で明らかにしたところによれば、同投資によってENRCは3年後には33万t/年以上の銅生産を行うようになり、これはKazakhmys(注2)を凌駕するものとなる。
 この増産はアフリカにおける鉱床の開発により達成される見込みで、同氏によると「銅とコバルトの生産について我々は真剣に案件開発に努めた結果、コンゴとザンビアで非常に良好な資産を取得することができた。3~3.5年後には当社は年間33~35万tの銅を生産していると期待する。」とのことである。また同氏によると、ENRCはモザンビークに大規模な石炭鉱山を有している他、プラチナ生産への参加の可能性を検討している。
 (注1)
 ENRCは、鉱物の採取・選鉱分野の総合企業グループで、その傘下にはカズクロム、カザフスタン・アルミニウム、カザフスタン電解工場、ジャイレム採鉱選鉱コンビナート、Eurasian Energy Corp.(EEC)、セロフ・フェロアロイ工場がある。またブラジルと中国のプロジェクトにも出資している。
 同社 は世界第2位の銅合金生産企業で、アルミナとマンガンの大生産企業、鉄鉱石の採掘と加工ではCISのリーダーでもある。また世界におけるガリウム生産の5分の2を占め、同社はさらに世界の4分の1のクロムを保有。カザフスタン最大の発電企業でもある。
 同社 は上場企業で、その株式はロンドンとカザフスタン(KASA)で取引されている。主要株主はアレクサンドル・マシケヴィチ氏、ファッタフ・ショジエフ氏、アリジャン・イブラギモフ氏(それぞれ14.59%を保有)、Kazakhmys(26%)、カザフスタン財務省傘下のカザフスタン国有資産・私有化委員会(11.65%)である。
 (注2)
 Kazakhmysは、カザフスタンにおける最大の銅生産企業であり、2010年には308,700 t(前年比5.3%減)の銅を生産した。

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