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ニュース・フラッシュ

鉱種:
ベースメタル
2011年3月7日 ロンドン 小嶋吉広

ザンビア他:Lumwana銅鉱山の権益を有するEquinox社がLundin社へ買収案提示

 Equinox Minerals(豪、本社:Perth、TSX & ASX上場。以下、Equinox)のニュースリリースによると、同社はLundin Mining(加、本社:ON州Toronto、TSX & OMX上場。以下、Lundin)に対し48億C$での買収を提示した。Lundinは2011年1月にInmet Mining(加、本社:ON州Toronto、TSX上場。以下、Inmet)との対等合併を発表した。当初2011年3月14日に、Lundin-Inmetの統合と新会社であるSymterra社設立に係る議決が予定されていたが、本事態を受け、議決は急遽3月28日に延期となった。Lundin-Inmetの統合計画は予断を許さない状況になってきている。
 Equinoxによる提案内容は、Lundinの株主は1株に対して8.1 C$(直近株価に比べ26%の上値)、又はEquinoxの株式1.2903と0.01 US$に交換する権利を有することになる。
 Equinoxは今回の買収によって、今後6年間で銅生産量を毎年23%拡大させ、2016年には銅生産量500千tに到達させることが可能としている。他方Lundin-Inmet統合による新会社(Symterra)の場合は500千tの生産レベルに到達するのは2017年であり、より早期の銅生産体制の確立が可能とEquinoxは発表している。
 今回のEquinoxからの一方的提案に対しLundin CEOのPhill Wright氏は、特別の委員会で審査する意向を表明した。委員会の結論が出るまでは、LundinとしてはSymterra設立を支持することを発表した。さらに、今回の買収に当たりEquinoxは32億C$のブリッジ・ファシリティ(つなぎ融資)を受けることに関連し、同CEOは「Lundinの運命を金融機関の手に委ねることになる」として懸念を示している。Lundin とInmetの統合に当たっては、新会社(Symterra)は設立当初から17億C$のキャッシュ計上が見込まれていることから、金融機関からの融資は予定されていない。
 Equinox幹部によると、一般的な銅価格見通しに立って予測した場合、統合後の会社は設立後4年でキャッシュを計上できるようになる。また、銅価下落を織り込んだ上でのストレス・テストも実施済みであると反論している。なお、Equinoxは2011年1月にCitadel Resources(サウジアラビアでのJabal Sayidプロジェクトを保有)を12.5億US$で買収したばかりである。
 EquinoxとLundinが統合した場合、新会社の当面のコアプロジェクトは下表の5プロジェクトとなると見込まれている。

会社別 プロジェクト名 国名 鉱種 品位 資源量(特記以外は千t) 生産量
(特記以外は千t)
権益比率
Equinox Lumwana ザンビア 0.60% 2,503 147(2010年) Equinox:100%
(予測資源量を含む)
Jabal Sayid サウジアラビア
亜鉛

Cu:1.9%
Zn:1.4%
Au:0.5g/t
Ag:31g/t
Cu:51
Zn:38
Au:43千oz
Ag:83t
(概測及び精測資源量)
(2012年第一四半期生産開始予定) Equinox:70%
Central Mining Investment:30%

Lundin

Tenke Fungurume DRCコンゴ
コバルト
Cu:2.311%
Co:0.212%
Cu:4,999
Co:458
(概測及び精測資源量)
Cu:120
Co:9
(2010年)
Freeport-McMoran:56%
Lundin:24%
Gacamines:20%
Neves-Corvo ポルトガル
亜鉛
Cu:1.313%
Zn:4.026%
Ag:57.31g/t
Cu:618
Zn:1,895
Ag:2.7t
(概測及び精測資源量)
Cu:74
Zn:6
Ag:23t
(2010年)
Lundin:100%
Zinkgruvan スウェーデン 亜鉛

Zn:0.405%
Ag:28.417g/t
Cu:2.497%
Zn:6
Ag:42t
Cu:37
(概測及び精測資源量)
Zn:72
Ag:56t
Cu:0.5
Lundin:100%

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