ニュース・フラッシュ
2011年3月16日
モスクワ
大木雅文
ロシア:ロスアトム、レアアースの世界市場シェア10~15%を目指す
当地報道では、ロシア国家会社ロスアトムは、レアアースの需要増加に鑑み、その世界市場の10~15%を占めることを目指している旨を伝えている。これは、国家院の拡大会議において、ロスアトム傘下のARMZ の非ウラン・プロジェクト担当取締役であるウラジーミル・セルヴェトニク氏が報告したものである。
専門家によると、レアアースはイットリウム、スカンジウムと15のランタノイドを含む17元素の総称で、稀有な化学的特性を持ち、それゆえほぼ全てのハイテク産業分野で利用されている。特に、レアアースは原子炉制御・保護システムを含む原子力分野で利用されている。原子炉製造にこれらを利用すれば、その耐用年数を50~60年以上に延長できる可能性があるとセルヴェトニク氏は強調した。
さらに同氏は、最近レアアースの消費・利用構造に質的な変化が生じたことを指摘した。その説明によれば、以前はその大部分が軍事・宇宙産業に利用されていたが、現在では主として代替エネルギーで使われている。
セルヴェトニク氏は、2010年に12万5,000 tであったレアアースの年間生産・消費量は、2020年までに少なくとも倍増する見通しであると明言した。この関連で、セルヴェトニク氏は会議出席者に対し、ヤクート共和国のトムトル鉱床について詳細に説明した。同氏によると、この鉱床は稀有な天然資源であり、現状の確認埋蔵量で世界の5大鉱床に入るが、資源ポテンシャルでは世界最大となる可能性もあると説明している。