ニュース・フラッシュ
2011年3月22日
シドニー
原田富雄
豪:資源分野における労働者不足に関する政府の取組み
2009年9月、豪州連邦政府は深刻な資源分野での労働者不足に対応するため、産学官代表者から構成する「資源分野における雇用検討グループ(National Resource Sector Employment Taskforce)」を設置し、今後10年間で新たに開発が承認される予定の、80件にのぼる資源プロジェクトで必要となる7万人もの熟練工を育成することを表明し、2010年7月中旬、連邦政府は資源分野での労働者不足に対する検討結果を報告書「RESOURCING THE FUTURE」に取りまとめ、31にのぼる勧告を行っていた。
これに関し、連邦政府は全ての勧告を受け入れると発表した。主要点は次のとおり。
国家実習プログラム(National Apprenticeship Program):全国100か所において資源分野で働く労働者向けに実習を行う。政府は産業界と共同で必要資金を拠出する。
技能投資基金(Skills Investment Fund):政府と産業界は2億A$で同基金を設立し、女性、アボリジニ、若年労働者向けに技能取得に要する費用の50~90%を負担する。
豪州鉱業協会、西豪州鉱物・エネルギー協会などは、今回発表された政府の取り組みを歓迎するものの、2015年までに77,500名の熟練労働者が必要とされる労働市場においては、勧告を完全実施したとしても39,000人を確保できるに過ぎないと見られており、更なる取り組みが必要となる。