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ニュース・フラッシュ

2011年3月30日 モスクワ 大木雅文

カザフスタン・ロシア:両国の原子力国策会社、希土類の工業生産で協力へ

 現地報道は、カザフスタン共和国内閣府において30日、カザフスタンの国家原子力会社「カズアトムプロム」とロシアの原子力エネルギー国策企業「ロスアトム」が希土類の工業生産に関する協力意向議定書に署名した旨を伝えている。
 ロスアトムのセルゲイ・キリエンコ社長は、両社の協力により、カズアトムプロムは希土類に関する専門的な事業ノウハウ、優れた技術、カザフスタンとロシアの双方の領域における生産能力と鉱山を有することになる、と強調した。
 また、「世界の希土類の価格は今日、すでに急速に上昇しているが、あらゆる予測では価格はさらに上がることを示している。ロシアはカザフスタンとともに、核燃料サイクルや原子力技術に関する協力拡大に取り組み始めただけでなく、さらに希土類の採掘、生産、国内外市場への供給における協力の可能性にも取り組もうとしている」と表明し、両社が手を結ぶことにより、希土類の世界市場において影響力のある地位をともに確保する見通しが開ける可能性が大きいとコメントしている。
 カズアトムプロムのウラジミル・シュコリニク社長もこれに賛意を示し、「今や希土類の市場は極めて有望である。世界には10万t/年の需要がある。市場には希土類の不足感が高まっている。主要な生産国は中国であるが、同国では内需が極めて大きい。したがって、今や、われわれ両国がこの市場の重要なプレイヤーとなることができる時が到来したのである」と強調している。

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