ニュース・フラッシュ
2011年4月18日
北京
土居正典
中国:環境保護部、重金属汚染の取締強化
現地報道によると、中国環境保護部は、2011年3月29日、発展改革委員会など関係9部門と会議を開催し、国民の健康保護を目的として汚染物質排出違反企業の取締り特別強化実施を決定した。これにより、2011年は鉛蓄電池関連企業を重点とした徹底的な実態調査が実施される。
環境保護部張副部長によると、同部が掌握している状況では全国で11,515社(対前年比20%増)の厳重調査対象の重金属排出企業があったが、実際にその34%で調査遺漏があり、徹底した調査に問題があった。又、同部は3月に388社の鉛蓄電池関連企業に対して汚染調査を実施したところ、相当数の企業の設備及び管理技術に問題があり、大部分が地方政府環境保護部門による監督もなされていなかったことがわかった。
今回の調査では、環境安全対策が一定水準以下で、汚染対策施設の不備がある企業は操業停止を求められる。また各省に対し、この7月30日までに所管域内の全ての鉛電池企業名簿をメディアで公表するよう求めた。
2011年3月中旬、浙江省台州市で発生した血中鉛濃度の基準値超過事件のほか、鉛蓄電池関連企業に起因する汚染事件が頻発していることが背景となっている。
