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ニュース・フラッシュ

鉱種:
パラジウム ベースメタル レアメタル
2011年5月9日 ロンドン 北野由佳

英:GFMS社、白金・パラジウムの需給動向を発表

 英国の貴金属調査会社GMFS社は2011年5月5日、白金及びパラジウム市場の需給動向を調査した『白金・パラジウム統計2011』を発表した。
1) 白金の需給
 2010年の白金の需給バランスは962千ozの供給過剰となった。2010年の白金需要の内訳をみると、自動車用触媒については、欧州におけるディーゼル車生産の回復の遅れとパラジウムへの代替が要因となり対前年比で16%増となったものの、金融危機前の数値を依然として大きく下回っている。一方、中国における宝飾用白金の需要が減少したことが影響して、宝飾用白金の需要は全体で対前年比17%減となっている。供給面については、南アでの白金生産量が対前年比3%増、宝飾用白金の回収が同30%増、自動車触媒用白金の回収が同15%増となり、世界全体の白金供給量は同5%増と増大した。
 2011年の白金の需給については、北米での白金増産による供給の拡大が予測される一方、日本での地震の影響やパラジウムへの代替により、白金需要は微増にとどまる見通しであることから、供給過剰の状態が続くと予想された。

表1.白金の需給(2009、2010年)(単位:千oz)
  2009年 2010年 対前年比(%)
白金供給 7291 7687 5
白金需要 6415 6725 5
需給バランス 876 962 10

2) パラジウムの需給
 2010年のパラジウムの需給バランスは551千ozの供給不足となった。主な要因は、ガソリン車の製造増加により自動車触媒用のパラジウムの需要が対前年比30%増となったことが挙げられる。一方、宝飾用パラジウムの需要は対前年比27%減となった。供給面では、地金生産量、自動車触媒及び宝飾用パラジウムの回収量ともに増加し、世界全体で対前年比8%増となった。
 2011年には、自動車触媒用のパラジウム需要がさらに伸び、北米における生産量増加を相殺して、引き続き供給不足となる見通しとされた。

表2.パラジウムの需給(2009、2010年)(単位:千oz)
  2009年 2010年 対前年比(%)
パラジウム供給 7504 8067 8
パラジウム需要 7591 8618 14
需給バランス -87 -551 533
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