閉じる

ニュース・フラッシュ

2011年5月10日 シドニー 栗原政臣

豪:Chi-XASXのライバルとなるか

 2011年5月5日、複数の地元紙等は、連邦政府が豪州で第2の取引シェアを持つ野村ホールディングス傘下のPTS(私設電子取引システム)運営会社Chi-Xに対し、代替証券取引業務の許可を与えたと報じた。Chi-Xはこれまでの4年間、連邦政府の承認を待っていた。Chi-Xの参入によりASXによる証券取引市場の独占体制は終焉を迎えることになる。一方連邦政府は、シンガポール証券取引所(SGX)と豪州証券取引所(ASX)の買収計画を否決している。Wayne Swan財務大臣は、Chi-Xによって豪州の中で競争が生まれ、投資家のコストも安く抑えられるだろうと述べた。また、財務大臣補佐で金融大臣のBill Shortenは、Chi-Xの存在は証券取引の世界に新しい手法をもたらし、低い取引コストは市場への参加を促し、退職年金基金などが有する資金の投資効率や資本の流動性を高める、と述べている。
 Chi-Xは、2011年10月31日までの開設を目指しているが、それまでにいくつかの達成しなければならない基準があり、投資家を保護するためのA$10百万の補償基金の開設、コンピューターシステムの確認、さらに不正行為に対するA$1百万の罰金を含む豪州証券取引委員会の定めた規制への同意などが必要となる。それらがクリアされれば、豪州の上位200の株式を扱う証券取引所として運営が開始される。アナリストは2年間で取引市場の25%を占めるだろうと予測している。

ページトップへ