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ニュース・フラッシュ

2011年5月16日 ロンドン 北野由佳

南ア:2011年1~4月の鉱山死亡者数増加、珪肺損害賠償を求める裁判は2012年開始へ

 南アで最も古い労働組合の一つであるSolidarity(注:「団結」の意)は、2011年5月11日、2011年1~4月の同国鉱山における負傷者数及び死亡者数を発表した。発表によると、負傷者数は対前年同期比38%減の711名、死亡者数は同21%増の47名であった。死亡者数の内訳は、22名が金鉱山、12名が白金鉱山であった。SolidarityのPaul Mardon職業安全衛生部部長は「鉱業は今なお危険な産業である。鉱山会社と労働者は正しい鉱山操業を常に心がけなくてはならない。」とコメントした。
 また、Anglo Americanの子会社Anglo South Africa社は、18名の元鉱山労働者から珪肺及び珪肺結核に対する損害賠償を求める訴訟を起こされており、報道によれば2012年に裁判が開始される予定である。専門家らは、原告側が裁判に勝利した場合にはこの訴訟が前例となり、鉱山労働によって珪肺を発症した人々による大規模な集団訴訟へと繋がる可能性があるとの見方をしている。南ア鉱山労働者組合(NUM)は、鉱山会社に損害賠償を求める全ての鉱山労働者を支援するとしており、集団訴訟に備え呼吸器系疾患を患っている現・元労働者及び死亡者のリストを作成しているとされる。

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