ニュース・フラッシュ
2011年5月17日
サンティアゴ
神谷夏実
ブラジル:Vale、40万t級大型輸送船7隻を受け取る
メディア報道によると、Valeは韓国Daewoo Shipbuilding & Marine Engineering Co社に発注していた40万t級の大型鉄鉱石輸送船7隻の納入を受けた。同社によると新造船は全長362 m、幅65 mで、世界最大級クラスである。Daewooへの発注総額は7.48億US$であるが、Valeは同時に中国Rongsheng社に対しても同クラスの輸送船12隻を16億US$で発注している。Valeによると、自前の輸送船を保有することで不安定な輸送コストのリスクを回避でき、コスト削減効果も大きいという。新造船は主に輸送距離の長いアジア向けに使われる。
2012年よりValeは輸送船35隻体制となり、同業のBHP Billiton、Rio Tintoに対抗できる体制が整う。これら大型船の発注は2009年に行われたが、当時のLula政権はブラジル国内での建造を迫ったものの、ValeのAgnelli前社長がブラジル国内の造船能力の不足を指摘し国外発注となった経緯があり、Lula大統領とAgnelli前社長の軋轢が高まる原因の一つとなったとされている。