ニュース・フラッシュ
2011年5月26日
調査部
渡邉美和
中国:「火力発電所汚染物質排出標準」、6月に公布、或いは電力不足から発効延期も
現地紙が伝えるところによると、排出抑制が非常に厳しいといわれている「火力発電所汚染物質排出標準」は既に関係者からの意見収集を経て最終案がまとまり、遅くとも2011年6月までに正式発布される見通しである。この最終案では、石炭燃焼炉から排出される窒素酸化物濃度の制限値が当初より更に厳しくなっているといわれている。この標準の発布は、現在の電力不足に輪をかけることになるかもしれない。
アナリストによれば、稼働中の能力7.07億KWの火力発電所がこの標準発布により第12次5カ年計画期間に脱硝設備の設置改造を迫られ、その設備規模は3,000億元(463億US$)以上に達するとのこと。この内脱硝触媒がコストの40%を占める。しかし、この夏に予想されている電力不足見通しから、発効が延期される可能性もある。