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ニュース・フラッシュ

2011年5月26日 調査部 渡邉美和

中国:広西壮族自治区の海外展開戦略、鉱産資源が投資の主要な方向の一つ

 広西壮族自治区の現地紙は、同地区の最近の海外展開について報じている、それによれば、広西壮族自治区は「走出去」戦略に従った展開を進めているが、その中でも鉱物資源が広西の企業の投資の主要な方向の一つとなっている。
 同区商務庁によれば、2005年から今までの間で、広西壮族自治区が承認した鉱物資源開発に関わる案件は海外の34企業(企業もしくは機構:投資増額案件も含む)に達し、成約総投資額は3.27億US$、その内中国側が支出する実際の投資額は2.26億US$となっている。それらの内30件はASEAN諸国で、鉱産資源海外投資全体の88.2%を占め、投資の主な鉱種は鉄、マンガン、石炭、アンチモンなどである。
 2010年から広西の大型資源開発企業による海外展開が加速し、2010年から2011年3月までの間に既に承認された案件は投資増額を含めて13件、成約総投資額は2億US$、その内中国側が支出する実際の投資額は1.44億US$となっている。最も大きな案件は、広西大マンガン業がRainbow Mining (Singapore) Companyの南アのマンガン鉱山を6,128万US$で買収した件で、このほか、広西有色金属集団有限公司が2,980万US$をカンボジアの鉄鉱山に投資する1件がある。
 2011年に入っても、広西企業の海外直接投資の勢いは維持され、これまでに鑫龍国際鉱業有限公司(ミャンマー)、桂林鉱産地質研究院有限公司(豪)などが承認されている。桂林鉱産地質研究院はラオスや豪州にも事務所や現地企業を設置し、現在、カンボジアやカナダそしてメキシコなどでの投資の動きがある。

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