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ニュース・フラッシュ

2011年5月30日 バンクーバー 片山弘行

加:Quest Rare Minerals社、Strange Lakeレアアースプロジェクトの浸出試験結果を公表

 Quest Rare Minerals Ltd.(本社:トロント、以下Quest社)は、2011年5月25日、現在Hazen Research, Inc.が実施しているケベック州Strange Lake(Bゾーン)レアアースプロジェクトの選鉱製錬試験のうち、浸出試験の途中結果を公表した。
 高品位鉱石を対象にした浸出試験では、22μm程度に磨鉱された鉱石を220℃で1時間硫酸焙焼してケイ酸塩鉱物を分解したのち、80℃で2時間かけて硫酸浸出させることでイットリウム+重希土が88%溶解したとしている。焙焼工程で必要となる硫酸量は鉱石1 tあたり150~500 kgで、浸出工程で必要となる硫酸量は鉱石1 tあたり100~500 kgであるが、88%の溶解を達成した試験では焙焼工程で500 kg/t、浸出工程で100 kg/tの合計600 kg/tの硫酸使用量であった。また、同様に低品位鉱石及び変質した鉱石を対象にした浸出試験では、低品位鉱石でイットリウム+重希土が72%、軽希土が92%溶解し(焙焼工程硫酸使用量360 kg/t)、変質した鉱石ではイットリウム+重希土が75%、軽希土が88%溶解した(焙焼工程硫酸使用量416 kg/t)としている。低品位鉱石を磁力選鉱した精鉱に対してはイットリウム+重希土が83~90%、軽希土が93~97%溶解した(焙焼工程硫酸使用量360 kg/t)。
 同時に行われている鉱物学的試験によると、本鉱床のレアアース鉱物の構成は複雑で、イットリウムとレアアースはケイ酸塩鉱物と少量の酸化物、リン酸塩鉱物、炭酸塩鉱物から成るとし、主要なレアアース含有ケイ酸塩鉱物は、gadolinite、gerenite、kainositeで、その他のレアアース鉱物についてはzircon、gittinsite、thorite、allaniteなどとしている。
 選鉱製錬試験を実施しているHazen Research, Inc.は、今後、レアアースを浸出した貴液からのレアアース抽出試験を実施してレアアース回収フローを完成させ、2011年後半に予定されているパイロット試験に供するとしている。

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