ニュース・フラッシュ
2011年5月30日
ロンドン
北野由佳
英:下院科学技術委員会、戦略的金属鉱物に関する報告書を発表、紛争鉱物の規制と投資活動の影響調査を政府に要請
英下院科学技術委員会(STC:Science and Technology Committee)は5月17日、『戦略的に重要な金属に関する報告書』を発表した。この報告書では、英国にとって戦略的で重要な金属を分析した結果、レアアース、PGMsを始め、アンチモン、ベリリウム、クロム、コバルト、ガリウム、ゲルマニウム、金、ハフニウム、インジウム、リチウム、マグネシウム、ニッケル、ニオブ、レニウム、タンタル、チタン、タングステン、バナジウム(20鉱種)を「戦略的重要金属」と定義し、安定供給、リサイクル等の対策をまとめている。また、同委員会は、DRCコンゴ産の金等、いわゆる「紛争鉱物」に関して、英国でも独自の規制法を策定するよう政府に要請した。
同委員会のAndrew Miller委員長は「国際レベルでの規制が確立すればより効果的だが時間を要する。英国は独自の基準を設定すべきである。」とコメントした。また同報告書では、戦略的重要鉱物への投機的な投資が市場に与える影響に関して調査するよう政府に求めている。投機的投資活動はETF(上場投資信託)といった取引所での取引に止まらず、レアアースなどの戦略的金属の取引場外市場(off-exchange markets)にも進出しているとの懸念が産業界から同委員会に寄せられているという。同報告書は2011年5月4日に議会に提出されており、英国政府は8週間以内に回答を発表することとなっている。
