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ニュース・フラッシュ

2011年5月30日 調査部 渡邉美和

中国:電動自転車生産企業の60%に蓄電池供給不安か

 中国現地報道が伝えるところによると、鉛蓄電池産業への産業指導・構造転換等の影響を受け、多くの地方で鉛蓄電池メーカーがその生産の停止に追い込まれている。この影響が川下産業の電動自転車業界に及び、コスト上昇や、場合によっては蓄電池の入手難に直面している。消息筋によれば、電動自転車生産企業の60%近くが蓄電池供給不安を抱えているとのことである。
 2011年5月に浙江や広東で再び生じた鉛蓄電池企業に起因する環境汚染事件に対し、環境保護部や国家発展改革委員会など9部署が連携して、各地の鉛蓄電池企業に対して生産停止を含む大規模な監督強化や構造再編を開始した。このことにより鉛蓄電池の生産量は減少し、価格は上昇を見せている。こうした直接の影響が電動自転車業界に及んでいる。関係者は、「現在、中国の電動自転車の97.5%は鉛蓄電池を搭載し、同産業への依存度は非常に高い」と答えている。中国自転車協会の統計によれば、電動自転車の生産量は2,994万台(2010年の年間生産量と思われる)で、過度な鉛蓄電池への依存と輸出量の低さが同産業の2大問題となっているとのことである。

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