ニュース・フラッシュ
2011年6月6日
ロンドン
北野由佳
英:LME、倉庫の受け渡し最小限度を変更する動き
LMEの倉庫委員会は2011年5月27日、独立系コンサルタント会社Europe Economics社がまとめた調査報告書『倉庫の受け渡し最小限度に関する評価』に基づき、LME指定倉庫からの受け渡し最少限度を見直すための会合を開いた。現行のシステムでは、LME指定倉庫からの受け渡し最小限度は、各倉庫の保管能力に基づき1,500 t/日を上限として設定されているが、アルミに関しては受け渡しのための待ち時間が最長10か月とも言われており、産業界から受け渡し最小限度の引き上げを求める声があがっていた。
同日、LMEのMartin Abbott最高経営責任者は、「LME倉庫の受け渡し最小限度を、倉庫の保管能力ではなく在庫量に基づき設定するよう変更することをLME理事会で提案する。」とコメントした。今回理事会に提案されるLME指定倉庫からの受け渡し最小限度の変更案は以下のとおり:
倉庫の在庫量 | 最小受け渡し限度 |
300,000 t以下 | 1,500 t |
300,001 t以上600,000 t以下 | 2,000 t |
600,001 t以上900,000 t以下 | 2,500 t |
900,001 t以上 | 3,000 t |
2011年6月16日のLME理事会で上記の変更が承認されれば、2012年4月1日から新しい受け渡し最小限度が適用されるようになる。