ニュース・フラッシュ
2011年7月11日
ロンドン
小嶋吉広
ジンバブエ:現地資本引上げに係る計画を173社が提出
ジンバブエで活動する外国資本の鉱山会社は、現地化・経済権限拡大法の規定により、現地資本引上げ(51%以上)に係る計画を2011年7月2日までにジンバブエ政府へ提出することになっている。メディア報道によれば、Zimplats社やAnglo American Zimbabwe社を含む173社が計画を提出した模様である。しかしながら、提出された計画の中には現地資本引上げが不十分なものもあり、Kasukuwere青年開発・現地化・経済権限拡大大臣は、基準を満たさない場合は鉱山等の資産を接収する方針を明らかにしている。
与党ZANU-PF党は、51%への引上げに当たっては政府が株式を有償で買い取るとの方針を示しているが、ジンバブエ政府には財政余力がないため、海外のアナリストは「投資家の不安を一時的に軽減させるためではないか」と懐疑的である。
51%の率の妥当性についてはかねてより鉱山会社より疑問が呈されており、鉱山会社は、51%のうち25%に相当する部分については学校や病院の建設など地域コミュニティーが裨益するような施策に充てられるべきであるとして、Kasukuwere大臣へ要望していたが、最近の報道によれば同大臣はこの提案を却下した模様である。
IMFが2011年6月に発表した4条協議(経済政策審査)レポートでは、2010年のジンバブエGDP成長率は9%にまで回復したが(2008年:▲17.7%、2009年:6%)、現地資本引上げ措置を行った場合、鉱業分野への投資が阻害され2011年は5.5%にまで下がる恐れがあると警鐘を鳴らしている。
