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ザンビア:Vale、Barrick Gold等の投資により銅生産量が飛躍的に増加の可能性
メディア報道によると、ザンビアは今後、Vale、Barrick Gold、Vedanta、FirstQuantum等の投資により、銅生産量が飛躍的に増加するとみられる。ザンビアの2010年の銅の鉱山生産量は785千tで、2009年の588千tを34%を上回り、ロシア、カナダの生産量を抜き世界第7位となっている。また2013年にはインドネシア、豪州を抜き、世界第5位の生産国となる可能性がでてきた。Brook Huntは、2015年のザンビアの銅生産量が1.1~1.4百万tに達するとみている。
ザンビア政府は2008年に超過利潤税の導入を決定し、翌2009年にこれを廃止した経緯があるが、現在は、銅鉱山の国有化や超過利潤税の導入等を否定しており、鉱業投資環境は最近大きく改善していることが背景にあるとみられる。一方、ザンビアの周辺国では、タンザニアが超過利潤税の導入を示唆、ジンバブエが2011年に外国企業が保有する鉱山資産の51%を黒人資本化する法案を可決、南アが鉱山資産の国有化を検討中とされ、周辺の銅生産国でのカントリーリスクが高まっている。
ザンビアへの投資環境の改善が進む中、資源メジャー等による銅鉱山開発の投資が進んでいる。Valeは、2010年8月にAfrican Rainbow Minerals社(南ア・ヨハネスブルグ市場上場、以下ARM)とザンビアのKonkola North銅プロジェクトの共同開発(シェアは50:50)を開始した。計画では2013年に生産開始する予定で、生産能力は45千t/年(精鉱中銅量)、開発コスト4億US$である。マインライフは28年を予定しているが、銅生産量を2020年に100千t/年まで拡張する計画もある。2011年4月には、Barrick GoldがLumuwana銅鉱山を保有するEquinox社を75億US$で買収した。First Quantum(カナダ)は、Trident鉱山、Kansanshi鉱山の開発、拡張に19億US$を投資する計画がある。同社は、隣国のDRCコンゴで2009年にKolwesi銅鉱山の権益を政府に接収されている。また、Vedanta(インド)は、Konkola 鉱山の拡張に10億US$、Glencore International PlcはMopani鉱山に5億US$を投資する計画もある。
ザンビアでは1960年代に鉱山国有化が始まったが、その後の銅価格の低迷により国有化鉱山からの銅生産量が減少することとなった。現在の政府は、この時の反省から、十分な予算及び、経営能力のない政府が鉱山を保有することの間違いを認識しているという。しかし、ザンビアでは、Zambia Electricity Supply Corp.(国営電力会社)による新規投資のための電力料金値上げ、国内道路の未整備、ザンビア・タンザニア間の鉄道ストライキ問題等のリスクもあるという。
