ニュース・フラッシュ
- 鉱種:
- 金 ベースメタル
ペルー:Madre de Dios県で金の違法採掘が活発化
2011年9月11日付け地元各紙によると、複数の地元紙やテレビ局は、Madre de Dios県の熱帯雨林地帯における金の違法採掘が、金価格高騰と同県出身国会議員の後ろ盾によって活発化していると報じた。同県のAguirre県知事によれば、2011年7月から太平洋・大西洋横断道路の103~117 km地点に1万5千人以上の違法鉱業従事者が採掘拠点を構え、その後も毎日多くの鉱夫が到着し続けている。これらの鉱夫の多くが、隣接するPuno県の違法鉱業地帯であるLa Rinconadaから流入していると見られている。
ここ数か月間、同地での違法採掘が特にエスカレートしている一因として、2011年7月末にMadre de Dios県から選出されたRomero国会議員がその後ろ盾となっているとの疑惑が指摘され、テレビの報道番組では、Madre de Dios県鉱業連盟(Fedemin)委員長を始めとする30人以上の鉱夫組合指導者らの会合に出席する同議員の様子が録画されたビデオが放送された。同会合ではこれらの違法鉱業従事者らがMadre de Dios県内の鉱区付与を禁止する緊急政令012号を糾弾し、国家や県政府、環境保護団体は全て敵であるとの主張を行っている。
なお、同議員は、自身が2010年までの2年間にわたってFedemin代表を務めただけでなく、同県内に12鉱区を所有しており、今後政府が解体作業を進める砂金採掘船の合法的な復活を計画しているとされている。更に、先週、緊急政令012号の廃止を目的とする2つの法案を提出したことから、同議員による違法採掘への支援は明白となっている。
一方、Tambopata自然保護区管理委員長のZambrano氏による と、2011年に入ってから既に同県内では700件の鉱区申請が行われたが、緊急政令012号により100件は拒否された。しかし、今後同議員の働きかけにより政令が廃止されれば、残り600件の鉱区が付与される可能性も出てくると警告している。なお、Flores 自然保護区管理局長によると、2010年だけで3万人の鉱夫が違法採掘に従事し1,000 haにも及ぶ熱帯雨林が失われたとされるが、実際の規模は把握できていない。採掘キャンプの入り口にはゲートが設置され、武装した警備員が配置されている一方、警察官はMadre de Dios県全体でも400名しかおらず、国による監査取締り体制の強化が急がれている。
