中国：商務部、2012年第1回レアアース輸出割当企業リストを公表

　中国商務部は2011年12月15日、「2012年第1回レアアース輸出割当企業リスト」を公表した。2008年～2010年の輸出実績を有する32企業が申請したが、このうち輸出資格を有すると公表されたのは11社であった。残り21社は未定とされ、包頭華美稀土ハイテク有限公司(2011年輸出枠2,066 t)、包頭羅地亜稀土有限公司(同1,802 t)、包鋼稀土ハイテク株式有限公司(同1,719 t)など大手輸出企業が未定となっている。なお、同部は11月11日、「2012年希土類輸出枠申請条件及び手続き」を公表し、製錬分離企業及び金属製錬企業については、環境保護部による「環境保護に関する要求に合致する企業」である認可を申請認可条件としていた。
　環境保護部は11月24日、「環境保護要求に合致した企業」15社を公表しているが、この21社はこのリストに入っていない。包頭稀土関係者は、「北部と南部とでは、稀土類元素の回収方法が異なっており、北部の環境への影響は確かに大きい。南部ではナトリウムによる回収を行っているが、ナトリウムの環境基準は比較的緩い」と話す。
　今後、商務部による2012年H1分輸出割当量公表までの間に、環境保護部が「環境保護要求に合致した企業」を新たに発表しない限り、輸出企業は11社となる。一方で、業界関係者は、「包鋼稀土など、国際的にも大手の稀土企業の輸出資格取り消しはあり得ない」との見方も示している。包頭の稀土関係者の多くは、環境保護部が第2回「環境保護要求に合致した企業」リストを公表し、これに基づき今回の未定企業も「認可」の道筋が見えてくるのではないかと見通している。

2012年稀土輸出企業名簿