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ニュース・フラッシュ

2011年12月26日 サンティアゴ 神谷夏実

チリ:CODELCOオプション権行使、法廷論争に入る

 メディア報道によると、CODELCOのオプション権行使の問題は、2011年12月に入り、CODELCO、Anglo American(以下 アングロ)の主張が平行線をたどるなか、法廷での論争に移りつつある。

① CODELCO、アングロによる追加売却を差し止める保全措置
 CODELCOは、アングロがこれ以上Anglo Sur社の権益の売却を行うことを阻止するための保全措置(2011年11月14日提訴、15日受理)をサンティアゴの上訴裁判所に提訴した。このCODELCOによる保全措置に関する公判は、当初12月19日に予定されていたが、12月28日に延期されることとなっている。一方アングロは、12月17日に、上記の保全措置の取り消しを上訴裁判所に申し立てたが、上訴裁判所は12月21日に、アングロの申し立てを却下した。

② アングロと三菱商事間の契約
 CODELCOは、アングロと三菱商事との間の契約の無効を訴えることを検討中である。このために、11月30日、サンティアゴ民事裁判所に対し、アングロと三菱商事の権益譲渡に関する契約内容の開示を求めた。同裁判所は、12月7日に開示命令(12月12日期限)を出したが、その後三菱商事側からの対応は報道されていない。

③ アングロによる、オプション権契約無効の訴訟
 アングロは、CODELCOとのオプション権契約について、CODELCO側に契約違反があるとして、契約無効の訴訟を、12月22日、上訴裁判所に起こした。またアングロは、チリのみならず、国際的な場に訴えることも検討している模様である。

④ その他、
 CODELCOとアングロは、これまでに、ニューヨークで数回会合を持ったとされるが、交渉に進展はなかった模様である。この内容は、三菱商事、三井物産にも伝えられていると報道されている。今後の見通しとして、CODELCOのオプション権行使は、2012年1月5, 6日頃行われるとみられる。アングロは10日以内に回答する義務がある。
 以上のように、今後の山場は、12月28日の上訴裁判所の公判、そして、年明け2012年1月5, 6日のCODELCOによる正式なオプション権行使である。

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