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ロシア:ヴォロネジ州・エラン及びヨルカ鉱床の鉱石処理プロジェクト、MMSKが落札、ウラルで処理へ
2012年6月4日付け現地報道によると、ウラル採鉱冶金会社(略称:UMMC、本社:スヴェルドロフスク州ヴェルフニャヤ・プィシマ市)は、ヴォロネジ州のニッケル採掘及び処理に関し、メドノゴルスク銅硫黄コンビナート(略称:MMSK、本社:オレンブルグ州メドノゴルスク市)をパートナーとして選定したと発表した。
5月22日に実施された入札でヴォロネジ州ノヴォホペルスク地区エラン及びヨルカ銅ニッケル鉱床の利用権を落札したMMSKのプロジェクトでは、キーロフグラードの多金属生産施設(UMMCの冶金部門企業であるUralelectromed(ウラル電気銅)の分工場)にニッケルカソード生産工場を建設することが予定されている。また、ヴォロネジの鉱石に含まれる銅及び白金族金属の処理は、Uralelectromed(本社:スヴェルドロフスク州ヴェルフニャヤ・プィシマ市)の本社施設で行われる計画になっている。
MMSK提案のプロジェクトに詳しいUMMCのグリゴリー・ルドイ鉱業担当取締役によると、ヴォロネジ州の鉱床の資源は一般的原料とは言えない多金属鉱で、MMSKがその処理で豊富な経験を持つことも落札者決定に影響を与えたとしている。また、ルドイ氏は、落札したプロジェクトが競争で優位に立てた主な点はその環境要素であるとしている。環境問題の解決には、プロジェクト予定総額500億ルーブル超のうち約36億ルーブルが充てられる予定である。他の入札参加者が提示した環境対策費はこの金額を下回った。ルドイ氏は、「おそらく、環境の重視こそが入札委員会の決定をMMSKに有利なものにした。これが主要審査基準の一つだったからである」としている。
ルドイ氏によると、地下鉱山と選鉱プラントから成る将来の採鉱選鉱コンビナートの規模はまだ最終的に確定していない。エラン及びヨルカ鉱床には推定埋蔵量しかないためである。採鉱選鉱コンビナートの設計は、埋蔵量の追加探査、評価、国家鉱量委員会による認定を経て初めて開始することができる。
探査・評価作業は2013年初めには開始予定である。地質調査は2016~2017年には終了する。埋蔵量が確定されれば、2018年には坑内堀鉱山(4つの立坑を想定)と選鉱プラントの建設を開始できる。2020年に最初の5万tを採鉱、2027年には採鉱量は約350万tに達し、そこから30万tの精鉱を生産することができる。
現在の見積もりでは、鉱床の埋蔵量は45年分である。既にMMSKは専門監督官庁と共同で、この地下資源鉱区の土壌、水、空気のモニタリングシステムの開発に着手している。鉱床開発プロジェクト全体の実施におけるあらゆる環境破壊を防止するため、MMSKの専門家は監督機関の職員と共に四半期毎にサンプルを採取し、その結果に基づきしかるべき現状報告書を作成する。このために毎年約1,300万~1,500万ルーブルが充てられる予定である。
