ニュース・フラッシュ
2012年6月25日
調査部
渡邉美和
中国:中国企業の海外鉱業投資の趨勢、減速局面か
現地報道によると、中国鉱業連合会の統計では、2011年の中国企業による海外鉱業への投資件数は284件となり、2010年の175件と比べて62%増加した。中国の投資金額は226億US$で、中国投資企業は215社であった。一方、2011年の中国の金属と鉱業の対外投資額は154億US$という外電もあり、2008年の額にわずかに及ばないもののそれに次ぐ額となっている。
だが、2012年は6月までの6か月で中国企業による海外鉱業投資件数はわずかに53件、投資額36億US$に留まり、それぞれ前年比大幅な減少となっている。このことは過去2年間の海外展開(「走出去」)の旗の下での動向と比べ、明らかに減速傾向を示しているかに見える。
「件数、額とも2012年上半期は前年同期と比べて下落幅が大きい。中国企業の海外投資の歩みは緩やかになっている」と、中国鉱業連合会の副会長兼秘書長の陳先達は6月20日に開催された「Mines and Money Beijing 2012」の席上で語っている。また、同氏は、鉱業以外の資本による鉱業投資が相対的に増加していること、現在では国有企業でなく、民営企業が絶対多数を占め、9割近くにも達していることなどを最近の傾向として述べている。
