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鉱種:
鉄鉱石
2012年7月9日 北京 土居正典

中国:国家発展改革委員会等関係7部署、再生非鉄金属業界参入許可基準を公表へ

 安泰科によれば、2012年6月29日に上海で開催された再生金属フォーラムで、中国有色金属工業協会再生非鉄金属部会李士龍副会長は、「中国の再生金属産業は、集積度が低く、技術的にも遅れている上、環境汚染もひどい状況にある。国家発展改革委員会、工業情報化部、科学技術部、財政部など関係7部署は、大手中央企業や上場企業の業界参入による統合を積極的に進める方針である」と話した。
 2011年の中国再生非鉄金属生産量は、銅260万t(対前年比8.3%増)、アルミ440万t(同10%増)、鉛135万t(前年とほぼ同量)である。
 中国のスクラップ金属市場の規模は大きいが、産業集積度が低く、また各企業の生産規模は小さく、業界を主導する企業が少ないのが現状である。生産規模が20万t/年を超える企業はごく僅かで、殆どの企業は数万t/年である。不確かな統計であるが、300社近くある再生鉛産業では、2009年の各企業平均生産能力は4,100 t/年で、10万t/年を超える企業は僅か2社であった。
 このため、関係7部署は協同で「国家廃棄物資源化技術プロジェクト第12次5カ年特別計画」を発表し、旧生産設備の淘汰及び業界参入許可企業数削減などにより統合再編を奨励し、リーダー企業を養成する。また、上位10企業への集積度を50%以上に引き上げ、生産能力が占める割合を80%に引き上げる。また、2015年までに主要再生金属生産量を1,200万tとする計画である。
 中国五鉱、江西銅業、雲南銅業、西部鉱業などの企業は、現在、再生非鉄金属の生産能力の増強に力を入れている。例えば、五鉱は、米国及びヨーロッパに倉庫を設置し、調達した銅スクラップを貯蔵し、中国に輸入している。その購入及び運送コストは、国内調達の銅スクラップ価格と変わりがない。2012年上半期は、米国からだけでも2万tを輸入し、2012年末までに計6万~7万tに達すると予想される。2013年は約10万tに増加する見込みである。

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