ニュース・フラッシュ
2012年7月30日
バンクーバー
片山弘行
加:ファーストネーションズ議会、天然資源開発における先住民関与を強く求める
カナダのファーストネーションズを代表するファーストネーションズ議会の議長に再選したShawn A-in-chut Atleo議長は、メディアのインタビューで、先住民族の土地で行われる天然資源の開発や利益分配の決定において、先住民族はキープレイヤーであるべきと答えた。インタビューの中でAtleo議長は、同議会が代表する630の先住民コミュニティの多くが鉱山開発やパイプライン事業の影響を受けているとし、現在の国家エネルギー委員会や環境評価プロセスは、コモンローが求める基準に達しておらず、新しい環境基準は、国際的な観点からは最低基準に過ぎず、先住民らの事前同意の必要性を求めていないとしている。また、困窮した先住民コミュニティの経済開発や天然資源プロジェクトに対するサポートを促進するためにも、天然資源開発から得られる利益の適正な分配が重要であると説いている。
ファーストネーションズ議会は、ノバスコシア州で行われている連邦政府と州政府の会合である連邦評議会に出席し、ファーストネーションズの教育、経済開発、先住民子女に対する暴力、健康の4点について評議会に要望書を提出し、特に経済開発においては、先住民に潜在的に影響を及ぼす天然資源開発の決定に関し、早い段階からの先住民の関与を求めている。