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ブラジル:EBXグループ、LLX株式を買い戻す可能性
エネルギー・資源開発のEBXグループは、傘下のLLX Logistica SA(サンパウロBovespa市場上場、以下LLX)の株式を買い戻す可能性が出てきた。2012年6月、傘下のOGX(石油・天然ガス)が発表した原油生産計画が当初予測よりかなり低かったことから、投資家の間でEBXグループに対する不信感が拡大し、グループ各社の株価が急落している。こうした状況下でLLXの株式を買い戻そうとするものであるが、買い戻しによる株価の上昇、買い戻し後の売却益を狙う可能性もあるとの見方もされている。買い戻し価格は、現在の市場価格2.5レアルを最大25%上回る3.13レアル程度とみられている。LLXは、ブラジルの資源ブームを支える港湾、積み出し施設等のインフラ整備の投資のために2008年に設立、上場された。主力事業は、Acu Superport(Rio de Janeiro州北部)の建設で、同港は、隣接するAcu Superport工業団地とともに、年間扱い量3.5億tのラテンアメリカ最大の港湾である。また石油開発が進むCampos、Espirito Santo海域、ならびに、ブラジル最大の鉄鉱石生産を行っているMinas Gerais州の鉄四角地帯に近いことから、ブラジルの資源輸出拠点としての役割を期待されている。
EBXグループは、エネルギー、資源開発を中心に、大規模事業の立ち上げと積極的な市場からの資金調達によって急成長を遂げてきた。折からの資源ブーム、ブラジル経済の急成長を背景に、これまで順調な事業拡大が図られてきたが、OGXの原油生産見込みの大幅な下方修正により、Batista氏の経営戦略と手腕に対する投資家の不信感が拡大している。EBXグループは、Batista氏が率いる複合企業グループで、OGX(石油・天然ガス)、OSX(造船・海運)、MPX(エネルギー)、MMX(鉄鉱石)、LLX(ロジスチックス)、CCX(石炭)、AUX(金)の他6社の傘下企業を保有する。このうち、OGX、OSX 、MPX、MMX、LLXがサンパウロ市場(BM&F Bovespa)に上場されている。
