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ニュース・フラッシュ

2012年8月6日 ジャカルタ 高橋健一

インドネシア:鉱山業界、鉱物資源高付加価値化義務の期限までの対応が困難な見通し

 2012年8月3日付け地元紙報道によれば、インドネシア鉱山業界団体の1つであるIndonesia Mining Society(MPI)は、新鉱業法の規定により2014年1月から完全実施される予定である鉱物資源高付加価値化義務に対し、時間的な問題と、特に電力インフラ整備に対する政府の支援策不足などのため、対応することが極めて困難であるとの見通しを示した。MPIのHerman Afif Kusumo会長が示したもので、鉱物資源高付加価値化義務に対応する精製錬所の建設には巨額な投資と膨大な電力供給が必要であり、特に電力などのインフラ整備については、現在鉱山は立地している場所への建設には少なくとも4年~5年の期間は必要であり、期限の延長、又はよりフレキシブルな内容、例えば精製錬所に着手している企業に対しては2014年1月以降も鉱石輸出を認める等を内容とした法改正が必要との見解を示している。精製錬所への電力供給に関しては、国営電力会社のPT PLNが、精製錬所に対応する発電所の建設には少なくとも1,600万US$の費用と2年の建設期間が必要で、他に同需要の急激な増減に対応する特別な設備が求められるため、建設自体も容易ではないと述べている。
 また、インドネシア商工会議所(KADIN)では、政府が2012年5月から先行して実施している鉱石輸出規制により、6月中のニッケル鉱石輸出が80%減、銅鉱石が89%減となり、国内鉱山企業に1億US$の損失をもたらしていることを指摘し、この政策による混乱に大きな懸念を示している。

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