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鉱種:
レアメタル
2012年8月6日 ジャカルタ 高橋健一

インドネシア:錫取引所市場開設6か月、取引低迷

 2012年8月3日付け報道によれば、これまでのロンドン金属取引所(LME)での取引価格によるものから、錫最大輸出国として国内での価格決定力を高める狙いで、2012年新たに開設され、2月から取引が開始されたインドネシア錫取引所(INATIN)であったが、ここまでの取引において、取引量が1ロットのみの日がしばし発生したり、6月、7月の新規登録された取引契約が2件のみなど、同市場での取引が低迷している模様。同取引所を運営するIndonesia Commodity and Derivative Exchange(ICDX)によれば、原因は、LME錫価格との価格差が予想よりも拡大していることを背景にした、同市場での取引の流動性不足によるものだとしている。INATINでの錫の要求グレードはLMEよりも高い99.9%以上となっていることから、通常LME価格よりも300~400 US$/t高くなる価格水準としているが、先週の価格は4,000 US$の価格差に拡がった。この点に関し、国際的な市場関係者によれば、INATINでの価格は生産者ベースの価格となっており、需要家を含めた市場参加者総意による価格となっていない点を指摘している。ICDXによれば、政府によるINATIN価格に基づいた錫輸出に関するロイヤルティに係る法令が年内に発行予定であり、この法令が発行されれば、取引はこれに従う必要があり、市場での取引が活性化すると期待を寄せている。

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