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ニュース・フラッシュ

鉱種:
ベースメタル
2012年8月6日 ジャカルタ 高橋健一

フィリピン:政府、PASAR銅製錬所拡張プロジェクトを核とする下流銅加工部門への投資を促進

 2012年8月6日付け各社報道によれば、フィリピン政府は、スイス系資源商社のGlencoreが計画しているPASAR銅製錬所の拡張プロジェクトに関連し、同製錬所を中核とする銅地金を原料とした下流の銅加工産業への投資を促進する方針を示した。PASAR銅製錬所の拡張計画は、先般アキノ大統領が訪英した際にGlencoreがコミットしたものであり、発電プラント建設を含み、投資額が5億~6億US$と見積もられている。同社では、このうち製錬所本体の拡張のための投資額3億~3.5億US$は既に投資決定され、発電プラント用となる残り2億~2.5億US$の投資は最終検討段階に入っているとしている。これを機に、フィリピン政府では、現在国内で生産され、輸出用となっている銅カソード、銅ロッドなどの素材産業から一歩進め、同製錬所周辺地域での銅加工製品部門の育成を促進したい考えであり、特に中堅企業による投資に期待を寄せている。現在フィリピン政府は、銅加工産業を始めとする6つの産業セクターを官民連携プロジェクトとして位置付け、同時に「One Town One Product」プログラムとして10地域のプロジェクトを積極的に投資振興しており、本プロジェクトは双方の振興プロジェクトに位置付けられている。PASAR銅製錬所は、1980年代に日本の官民連携プロジェクトとして建設され、現在はGlencoreが78.2%の権益を所有するフィリピン唯一の銅製錬所であり、銅地金年産規模215,500 tである。

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