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中国:工業情報化部、レアアース産業参入条件を公表
工業情報化部は2012年8月6日、7月26日付けで「レアアース産業参入条件」を公表した。採掘、製錬分離及び金属製錬の3分野を対象とし、企業の生産規模、技術、設備に関し基準を設定した。
生産規模に関しては、
1. 採掘は、①混合型 2万t/年以上(REO、以下同じ)、②バストネサイト型 5千t/年以上、③イオン型 5百t/年以上とし、モナザイト単一での採掘は禁止とする。
2. 精錬分離は、①混合型 8千t/年以上、②バストネサイト型 5千t/年以上、③イオン型 3千t/年以上とするほか、レアアース金属精錬については2千t/年以上(実物量)とする。また、固定資産への投資を、資本金の20%以上と設定している。
資源の総合利用に関しては、混合型及びバストネサイト型鉱床の採掘損失率及び貧化率を10%以下とし、鉱石の選鉱回収率は72%以上、ただし低品位若しくは選鉱精錬が難しい場合は60%以上とし、工業用水の循環利用率は85%以上としている。イオン型については、採鉱・選鉱総合回収率を75%以上とし、工業用水の循環利用率は90%以上としている。
基準を満たさない企業は、旧式生産能力の淘汰、統合再編、技術改善などにより、基準を満たす必要があり、満たさない場合には生産停止が命じられる。
23鉱山及び製錬分離企業99社を対象に2010年末に実施した状況調査では、鉱山の1/3、製錬分離企業の半分近くが基準を満たしておらず、20%近くの生産能力が淘汰される見込みである。
包頭市で8月8日に開催された第4回レアアース産業フォーラムで、工業情報化部蘇波副部長は「今後も、他部署と共同で参入許可条件を一層、規範化させる。現在、国内にはレアアース企業126社があり、生産能力は約32万tと世界の年間需要12万tを大幅に上回っているほか、長年にわたる乱採掘、密輸、裏取引、環境破壊など問題が山積している。中国政府は、レアアース資源統合及び企業の統合再編を促進、特に中央国有企業と地方企業間の連携再編を進め、大規模企業グループの設立により産業集積度を高め、資源利用率を引き上げる。」と語った。
また同フォーラムで、包頭希土製品取引所有限公司が正式に発足したが、出資企業に中国希少希土有限公司、五鉱希土有限責任公司及び広東省希土産業集団の3企業が加わり10企業となり、登録資本金も1億元となった。取引所設立は、市場価格安定に役立つが、各地域間の品質及び規格には大きな隔たりがあり、統一契約書作成が難しく、取引コストは高くなる見込みである。
