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ニュース・フラッシュ

2012年8月19日 モスクワ 大木雅文

カザフスタン:「2030年までの地質部門発展構想」草案の概要

 2012年8月9日付け現地報道によると、「2030年までの地質部門発展構想」草案を、大統領及び政府の指示によりカザフスタン共和国産業新技術省が策定した。
 本構想は、資源部門インフラの充実を目的とし、地質部門の問題及びその解決方法を検討するものである。
 地質部門インフラのレベルの低さは、最新のコア保管庫や研究所がない等の状況から明らかである。国際基準の認証を取得した研究所が国内に一つもないため、毎年何万もの試料が分析のために海外に持ち出されている。現在、地質学、地球物理学、水文地質学という主要地質分野の専門家を養成する制度構築が行われている。
 地質部門の投資魅力を高める上で重要なのは、JORCのような国際的な資源量・埋蔵量評価基準を導入することである。加えて、地質調査分野の企業活動支援の条件整備である。カナダ、豪州の小規模な「ジュニア」企業の成功例は、地質部門において中小ビジネスが効果的であることを示している。
 したがって、2030年までのカザフスタン地質部門発展の戦略目標は、地下資源の地質調査と鉱物資源基盤充実のための有効な国家システムを構築することである。
 (地質部門の主要課題)
  ・ 地質調査の計画目標立案の国家システムの改善
  ・ 投資魅力向上、革新的技術導入のための法基盤、技術規範等の改善
  ・ 地質調査・採鉱のメジャー企業やジュニア企業の誘致による官民パートナーシップメカニズムの発展
  ・ 革新的技術の開発・導入分野における地質部門インフラ発展
  ・ 地質部門の人材確保
 (実施期間と期待される成果)
  ・ 2013~14年:最新のインフラ創設、技術規範文書作成、国際基準導入、専門家養成、地域的/大規模な探査実施等

・ 2015~2019年:鉱物の商業的発見に向けた有望区画決定、新技術による地質調査実施、地質部門の専門家確保の問題解決

  ・ 2020~30年:地質調査・探査評価の実施、新規鉱床発見と埋蔵量算定

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