ニュース・フラッシュ
2012年8月31日
サンティアゴ
縫部保徳
チリ:チリ最高裁、Castilla火力発電所建設プロジェクト凍結を命令
2012年8月28日、チリ最高裁判所はCastilla火力発電所建設プロジェクト(チリ第Ⅲ州)の凍結を命じた。最高裁は、港建設プロジェクトと火力発電所建設プロジェクトの環境影響評価書の手続きが分割して行われたことから、プロジェクト全体が環境に及ぼす影響が確実に判断できない、まとめて評価されるべきであるとの判決を下した。これに対し、プロジェクトを実施する伯MPXと独E.ONは、港及び火力発電所建設プロジェクトは現状最も厳格な基準に準じて評価されており、判決は遺憾であるとコメントした。
Castilla火力発電所プロジェクトは発電能力2,100MWの石炭火力発電所を建設するプロジェクトであり、第Ⅲ州の鉱山開発プロジェクの電力需要に応えるのが目的で、投資額は50億US$に上る。チリでは今後の電力需要拡大に合わせ新規発電所の建設が待たれているが、今回の判決によりBarrick GoldのCerro Casale、Pascua Lamaなど開発中及び開発検討中の鉱山開発プロジェクトに影響が出ることが懸念される。