ニュース・フラッシュ
2012年9月1日
サンティアゴ
縫部保徳
チリ:Teck、Quebrada Blanca II環境影響評価の今後は未だ見通せず
メディア報道によると、TeckはQubrada Blanca IIプロジェクト(チリ第Ⅰ州)の環境影響評価で要求されている追加情報に関しチリ側当局と協議を続けているが、要求を満たすために必要な期間についてはまだ明確になっていない。2012年7月、Teckは提出済みの環境影響評価書(EIA)を一時的に取り下げ、環境評価局(SEA)からのコメントを再評価中と発表していた。水の利用と植生への影響が主要な問題であるが、TeckはSEAとともに追加評価として実際に何が必要かを把握しているところである。水の問題に関しては、同社は建設期間中通常時よりも余計に必要となる水を既有水利権の中で賄うつもりであったため、EISに水使用に関する情報が必要と考えていなかった。また、植生への影響では、パイプライン建設計画地が問題となっているが、その場所はCollahuasi鉱山が精鉱輸送のための敷設権を既に所有している場所に沿ったところであった。Teckは環境認可作業による大きな遅れに起因する大きなリスクとして労働力流出を挙げている。Qubrada Blanca IIプロジェクトは浅成鉱石採掘から初生鉱石採掘への移行を含んでおり、これが遅れることにより労働力の維持ができなくなる可能性がある。
Quebrada Blanca IIプロジェクトは採掘の終わった浅成鉱体下部の初生鉱床を採掘、処理するもので、39年間にわたり平均で銅20万t/年、モリブデン5千t/年を採掘する計画である。2011年のQuebrada Blanca鉱山の銅生産量は6.3万t。
