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ニュース・フラッシュ

2012年9月3日 ジャカルタ 高橋健一

インドネシア:Chalcoなどの中国アルミ関連企業、精製錬プラント建設投資の動き強まる

 2012年8月28日付け各社報道によれば、Aluminum Corp. of China Ltd(Chalco)を始めとする中国アルミ関連企業による、インドネシアへの精製錬プラント建設の動きが強まっている。Chalcoは、同子会社のChalco Hong Kong Ltdとインドネシアのボーキサイト鉱山企業PT Indonusa Dwitamaとの合弁事業により、東カリマンタン州にアルミナ精錬プラントを建設する計画であり、併せてボーキサイト資源の開発も進められる。ただし、現時点で具体的な投資額及びスケジュールは明らかにされていない。
 この他、インドネシアHidayat工業相が明らかにしたところでは、中国Beijing Shuang Zhong Li Investment Management Co, Ltdが、西カリマンタン州又はリアウ州にアルミナ及びアルミ精製錬プラントを建設投資する計画である。投資額71億US$により、アルミナ年産180万t規模の精錬プラント及びアルミ年産60万tの製錬プラントに加えて1,250 MW規模の発電プラントも建設する。計画は実施段階に入っており、第1フェーズは2015年までに、最終フェーズは2020年までに完了する予定としている。この他、同工業相は、中国企業2社、Oriental Mining and Minerals Resources Co LtdとRui Tong Investment Co Ltdによる直接還元鉄(DRI: Direct Reduced Iron)プラントの建設投資の計画も明らかにしている。
 世界最大のアルミ消費国である中国はボーキサイト鉱石輸入量の約8割をインドネシアに依存してきたが、今年5月から実施されているインドネシア政府による鉱石輸出規制及び20%の輸出税課税に伴い、今後も輸入量が低迷する見込みであり、かつ、2014年1月からの鉱石輸出禁止が完全に実施される予定であることから、ボーキサイト資源を確保するため、中国のアルミ関連企業によるインドネシアへの精製錬分野の投資の動きが強まってきている。8月には中国ボーキサイト生産大手のBosai Minerials Groupが、投資額10億US規模のインドネシアBintan島へのアルミナ精錬プラントの建設が報じられた。一方、一部のアナリストは、今後の中国の経済成長の減速懸念があることから、実際の投資の実行には、困難を伴うのではとも指摘している。

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