ニュース・フラッシュ
2012年9月11日
モスクワ
大木雅文
ロシア:プーチン大統領、鉱床の入札廃止法案を下院へ提出
2012年8月29日付け現地報道によると、プーチン大統領は、鉱物を巡る企業の戦いに関する規則を変更する意向である。それは、入札を廃止し、競売によってのみライセンスを付与するというものである。
大統領は、連邦的意義を有する鉱床の入札廃止法案を下院に提出し、その理由を「入札の状況からその非効率性、不透明性は明らかである」としている。
連邦天然資源省デニス・フラモフ次官によると、入札では支払額は二の次とされ、評価されるのは鉱床での作業に向けた企業の準備態勢だが、書類上はいかなる約束も可能である。そのため、入札はプロジェクトを見栄え良く描く競争へと変わってしまい、企業が現実にどのようにプロジェクトを実行するかわからない。競売であれば全てを決定するのは参加許可を得た企業の支払額であり、主観的要因の影響力は低下する、とフラモフ次官は説明する。今年5月、エラン・ニッケル銅鉱床の入札結果の発表後、Norilsk Nickel(本社:モスクワ市)は入札委員会が客観的でなかったと主張し、隣接するヨルカ鉱床獲得の戦いを断念した。競売はより透明性の高いライセンス付与手段であるとして、Norilsk Nickelは法案に満足している。(ニュースフラッシュ2012-17(2012年5月9日)及び2012-18(2012年5月16日)を参照のこと。)
