ニュース・フラッシュ
2012年10月2日
ハノイ
五十嵐吉昭
ベトナム:輸出も加工もできないイルメナイト精鉱が積み上がる
2012年9月28日付け現地報道によれば、ベトナムにおいてイルメナイト精鉱の輸出禁止が6月に施行されてから3ヶ月で輸出も加工もできない精鉱がこれまでの在庫を含めて100万tを越えて積み上がっている。この数字はベトナムチタン協会のLe Van Lich会長が公式に発表した数字で、2012年1月9月付けの首相指示により、イルメナイト精鉱は6月30日以降輸出できなくなった。国内で加工できる容量は限られるため、更に在庫が積み上がっている。同協会によれば、イルメナイト精鉱の採掘許可は32件有効で、その年産能力は126万tに達し、他に43件が2020年までに採掘許可を取得すると見込まれる。従って、新たに生産されるイルメナイト精鉱と、国内で加工可能な量の差は年間100万tに達すると予想される。Le Van Lich会長は、この差はこれからも拡大を続けると憂慮しており、協会としては、輸出関税の引き下げと併せて、政府に対しこの差を解消するよう適切なイルメナイト精鉱輸出のロードマップを示すように提案するとしている。
