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ニュース・フラッシュ

鉱種:
鉄鉱石
2012年10月8日 サンティアゴ 神谷夏実

ブラジル、ギニア:Valeの鉄鉱石開発、今後、ギニアよりブラジルを優先

 メディア報道によると、Valeは、ギニア・Simandou鉄鉱石プロジェクト及びブラジル・Serra Sul鉄鉱石プロジェクトの2大プロジェクトを進めているところ、Serra Sul鉄鉱石プロジェクト(投資額195億US$)を優先して進める方針である。ギニアでの鉱山開発は、政情不安、労働争議、鉱業政策見直し等の問題から外資の活動が難しくなっていることもあり、ブラジル国内での投資を優先して進める方針である。ギニア政府の最近の鉱業政策の見直しにより、政府の強制保有権益を15%から35%に引き上げている。また、Serra Sulプロジェクトでは、2012年6月に、予備環境ライセンスが許可されており、両プロジェクトの投資額が大きいことから、Serra Sulプロジェクトを優先する必要が生じていることも背景にあるとみられる。Serra Sulプロジェクトは、生産能力90百万t/年に上り、生産開始後は、世界の海上貿易鉄鉱石の9%を占める大プロジェクトであり、2017年のValeの鉄鉱石生産量は、現在より40%増加し4.6億t/年に達し、Valeは世界最大の鉄鉱石生産会社となる可能性がある。なお、Valeは、中国経済減速及び欧米経済落ち込みから、投資計画を見直しており、2012年の投資額は、前年比11%減の214億US$に引き下げているが、現下の情勢ではさらなる下方修正も検討されている。

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