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ニュース・フラッシュ

2012年10月8日 ジャカルタ 高橋健一

インドネシア:S&P、国営PT Antamの格付けを引き下げ

 2012年9月28日付けの地元報道によれば、格付けサービスのStandard & Poor’s 社(以下「S & P」)は、9月27日の発表で、インドネシア国営PT Antamの信用格付けに関し、格付けアウトルックについては「安定的」から「ネガティブ」へ、長期信用格付けについては「BB」から「B+」にそれぞれ引き下げた。同社が計画している複数の製錬プロジェクトへの投資額25億US$がコスト増によりさらに増える見込みであるのに対し、主要収益源となるニッケル市場価格が低迷し、かつ不安定な状況のため、これまでの予想よりも早期に同社のキャッシュフローを圧迫するリスクが高くなっていることがその理由。製錬プロジェクトへの投資額に関し、当初の2012~2013年の見込みでは7.8兆ルピア(約8.1億US$)だったのが、直近のS&Pの試算では14兆ルピア(約14.6億US$)に大きく跳ね上がっており、また、最近のニッケル価格低迷及び今年5月からのインドネシア政府の鉱石輸出規制及び2014年からの輸出全面禁止により、収入減のリスクが高まっている。同じくS&Pの試算によれば、2013年の負債/EBITDAレシオは4.5と、2011年の1.2から大きく増加するなどの結果によるものとしている。

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