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加:BC州石炭鉱山、中国人労働者により労働力不足を解消
2012年10月10日付地元紙等によると、急激な成長を続けているBC州北東部の石炭産業のためにカナダ連邦政府に一時的に承認された中国人労働者グループの最初の200人が今後数週間のうちに到着すると報じている。
石炭業界関係者によるとBC州北東部には今後数年間で4つのプロジェクトが提案されており、カナダの坑内採掘技術者が不足しているため、中国人労働者の総数はフルタイムで1,600人~2,000人雇用すると推定されている。4つのプロジェクトで雇用されるカナダ人フルタイム労働者は480人~800人と推定されている。
中国出身のNaishun Lin氏が設立したCanadian Dehua International Mines Group Inc.(本社:バンクーバー)の最高経営責任者John Cavanagh氏は「カナダ人は坑内採掘鉱山から石炭を安全に採掘するために必要な機器操作技術の経験を持ち合わせていない。中国人と彼らの持っている技術無しにこれら特定の鉱山開発は出来ない。」と述べている。
BC州Clark首相は2011年11月9日に北京を訪問した際に、4つの石炭プロジェクトのうち2つに対する14億C$の中国による資金提供を公表しているが、外国人労働者の必要性については言及していなかった。
鉄鋼労働組合(United Steelworkers)西部地区担当者は、Cavanagh氏の主張に対し、コストを抑えるため中国人を低賃金で雇おうとしている可能性があること、中国の石炭鉱山での死亡事故が非常に多く、安全面で非常に不安があること等から不快感を示している。
本件に関連して2012年10月15日付地元紙等では、中国人労働者を心配する声等が上がっている。カナダで外国人労働者を雇用する際には、カナダ居住者を対象とした公募が義務付けられているが、公募に出された賃金は年収約66,000 C$(時給25 C$~32 C$)となっており、通常、カナダ人マイニングエンジニアは73,000 C$~120,000 C$の賃金を得ていることから、基準を大幅に下回る賃金ではカナダ国内で労働者を探すことは不可能であった。
以前から他の工業界では問題となっているが、外国人労働者がカナダの雇用基準を知らされずに標準以下の賃金で雇われる可能性があること、また、十分な安全手順を英語で理解できず、指導されない可能性があることから中国人労働者を心配している。
