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- 亜鉛 ベースメタル
ポルトガル:国際鉛・亜鉛研究会、鉛・亜鉛の需給予測を発表
2012年10月11~12日、ポルトガルのリスボンにて国際鉛・亜鉛研究会(ILZSG)の秋季会合が開催され、各国代表、産業団体、企業、コンサルタント等約140名が参加し、鉛・亜鉛に関するプレゼンテーション及び議論が行われた。同研究会の統計委員会は2012年及び2013年の需給予測を以下の通り発表した:
<鉛>
2012年及び2013年の鉛地金消費量は、それぞれ対前年比3.4%増の1,080万t、同3.3%増の1,115万tと予想した。中国に関しては、2011年に環境への懸念から鉛蓄電池の生産工場が多数閉鎖されたが、2012年には鉛蓄電池の生産及び輸出が大幅に回復し、2012年及び2013年の鉛地金消費量は、それぞれ対前年比4.8%増の486万t、同4.7%増の508万tとなる見込みである。
鉱山生産量に関しては、中国での生産能力拡大が主因となり2012年及び2013年はそれぞれ対前年比10.9%増の521万t、同2.8%増の536万tと予想した。製錬での地金生産量は、ペルー及びイタリアで旧製錬所の再開が予定されているほか、米国における二次製錬所の操業開始や中国での製錬能力強化によって、2012 年は対前年比2.9%増の1,090万t、2013年は同3.8%増の1,132万tとなる見通しである。
需給バランスは2012年(10.8万t)、2013年(17.4万t)ともに引き続き供給過剰となると予測した。
<亜鉛>
2012年の亜鉛地金消費量は対前年比0.3%減の1,271万tの微減となるが、2013年には同3.8%増の1,319万tとなり再び増加に転じると予想した。中国の消費量は、2012年には対前年比0.5%増と限定的な増加となるが、2013年には同5.6%増と再び大幅な成長を記録する見通しである。
2012年の鉱山生産量は、中国の生産量が対前年13.7%増となることが主因となり、同比5%増の1,360万tと予想した。2013年は、中国での増産が継続することに加えて、豪州、ブルキナファソ、カザフスタン、ポルトガル、メキシコ、米国でも増産が予想されていることから、対前年比2.7%増の1,396万tとなる見込みである。亜鉛地金生産量は、中国で対前年比5.2%減となることから、全体では同2%減の1,286万tと予測される。一方、2013年には中国の生産量が対前年比9.1%増に回復し、イタリア、日本、韓国、ペルーでも製錬能力増強が予定されることから、同4.8%増の1,348万tとなると予想した。
需給バランスは、2012年が15.3万tの供給過剰となる見通しで、2013年には過剰幅が増加し、29.3万tの供給過剰となると予測した。
