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ポルトガル:国際銅研究会、銅の需給予測を発表
2012年10月8~9日、ポルトガルのリスボンにて国際銅研究会(ICSG)の秋季会合が開催され、各国代表、産業団体、企業、コンサルタント等約100名が参加し、銅に関するプレゼンテーション及び議論が行われた。同研究会の統計委員会は2012年及び2013年の需給予測を以下の通り発表した。
<2012年の銅需給>
2012年の銅地金生産量は対前年比1.5%増の1,995万t、銅地金需要は同比2.6%増の2,037万6,000 t、需給バランスは42万6,000 tの供給不足とし、春季統計委員会時の予測(23万7,000 tの供給不足)から拡大修正した。3年連続の供給不足予想に変わりはなかった。また、鉱山生産は対前年比2.9%増の1,647万9,000 tと予測し、春季統計委員会時の予測(5.1%増の1,684万8,000 t)から下方修正した。
<2013年の銅需給>
2013年の銅地金生産量は対前年比6.0%増の2,114万 t、銅地金需要は同比1.5%増の2,068万2,000 t、需給バランスは45万8,000 tの供給過剰とし、2012年の供給不足分をほぼ相殺すると予測した。4年ぶりに供給不足から供給過剰に転ずるとの予想に変更はなかった。なお、鉱山生産は対前年比6.4%増の1,753万3,000 tと予想した。
この理由としては、需要面では、中国の工業需要は2013年5%成長が見込まれるが、前年の見かけ需要(在庫の積上げ・取崩しも含めた需要)が8%と大きいため、2013年の見かけ需要は減少すると予想されること、中国を除く世界需要は3.4%成長が予想されることなどが挙げられた。供給面では、鉱石品位の低下、悪天候、不安定な労使関係など懸念材料があり、2013年に操業開始予定であったいくつかのプロジェクトが2014年以降に延期されているものの、既存鉱山の生産回復、新規鉱山の生産開始、アフリカや中国での製錬所の生産回復や能力増強、新規操業により鉱山生産・地金生産は伸びると予想した。
<中国の見かけ需要の扱い>
今回の統計委員会では、世界の銅需要の4割を占める中国が見かけ需要を用いていること、その見かけ需要も公表されている生産量、輸入量、輸出量、在庫変動量を足しあげたに過ぎず公表されていない在庫は考慮されていないことが、合わせて公表された。
