ニュース・フラッシュ
2012年10月24日
サンティアゴ
縫部保徳
チリ:チリ政府、原子力エネルギーについての調査を再開
メディア報道によると、チリ政府は東京電力福島第1原子力発電所事故後中止していた原子力発電導入可能性調査を2013年Q1中に再開すると発表した。同調査はMichelle Bachelet前大統領政権時代に開始され、同政権下では9回にわたり調査が実施された。Sergio del Campoエネルギー次官は、チリ国内のエネルギー不足緩和に向けて期待されていたCastilla火力発電所建設プロジェクト及びHidroAysen水力発電所建設プロジェクトが頓挫している状況から、将来のエネルギー確保の選択肢として原子力発電を消すことは出来ないと語った。さらにdel Campoエネルギー次官は、調査再開はあくまでも可能性分析のためであり、原子力発電導入に踏み切るかは将来の政権の判断に委ねられると述べている。最近の世論調査では、チリ国民の約84%が原子力発電所建設に反対している。
チリでは電力需要拡大に合わせ、新規発電所の建設が必要とされているが、2012年8月には発電能力2,100 MWの石炭火力発電所の建設が予定されていたCastilla火力発電所建設プロジェクトが最高裁から凍結命令を受けるなど、今後の電力供給が不安視されている。
