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ニュース・フラッシュ

鉱種:
ベースメタル
2012年10月31日 調査部 渡邉美和

中国:鉛蓄電池産業、再び生産能力過剰との見方も

 現地報道によると、中国の鉛蓄電池産業は2011年以来の産業構造変換政策により、その企業数は大幅に減少した。しかし、生産能力は変化していない。
 中国電池工業協会の王敬忠副理事長が2012年10月中旬に開催された2012年中国新エネルギー電動車産業サミットフォーラムで明らかにしたところによると、2011年の企業淘汰により、それまで3,000社あったとも伝えられた企業数は現在1,000社前後まで縮小している。将来この企業数は約300社にまで絞り込まれる予定とのこと。
 しかし、企業数は減少しても、現状の生産能力には大きな変化はない。一連の検査淘汰により生産を留めざるを得なかった企業も、ここに至り逆に能力拡張に転じている様にもみられる。データによれば、今年8月の中国内の鉛蓄電池生産量は1,498.9万kVAh、これは前年同月比36.4%の増加である。なお、前年の生産停止騒動の激しかった6月では、今年の生産量は前年比71.5%の上昇となっている。
 動力用の鉛蓄電池(注;始動用や固定電源を除く、電動自転車や電動自動車用の蓄電池)で見ると、天能集団と超威集団の拡張が著しく、シェアは2社で全体の半分にも達する勢いとなっている。超威集団は、2011年には生産量6,000万個であったが、今年だけで生産能力の増強は3,500万個となり、2012年の生産量は8,000万個に達すると見られる。
 一転して生産能力の過剰感に至った産業内では、再び生産能力に対する懸念も広がっている。

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