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中国:ふっ素産業の最近の動向と問題
現地メディアの報道によると、2012年10月24日に開催された「2012年中国(常熟)国際ふっ素化学工業フォーラム」(原文の漢字表記では「2012中国(常熟)国際氟化工論壇」)の席上、上海三愛富新材料股分有限公司の魏建華董事長は、中国のふっ素産業の最近の動向と問題について講演した。その主な内容は以下の通り。
・ ふっ素産業の基礎原料は蛍石で、中国は蛍石の世界的な資源大国であり、この面で他国と比べて有利な側面を持っている。
・ 中国ふっ素産業は1950年代から興り、フルオロカーボン、フッ化物ポリマー、無機フッ化物、ファインふっ素化学品の4類について完成された製造体系を有している。
・ 2010年末の時点でふっ素化学製造企業は1,000社、生産能力合計(みかけ量)は300万tに達している。
・ 問題点の一つに蛍石資源の消耗の激しさがある。2010年から工業情報化部は参入条件を設定し産業構造変換を進めてきたが、順調には進展していない。
・ 中国のふっ素産業の技術水準はまだ世界的には見劣りし、自主開発や創造的技術の力が弱く、先進諸国の技術の模倣段階である。主に次に掲げる6つの面でその差がある。
① 中国内のふっ素産業の企業規模や技術水準にバラつきが大きい。
② フッ化アルミの生産に当って少数企業のみが湿式製造しているだけで、品質差も大きく、資源利用率が低く、設備の腐食も多く、環境汚染も著しい。
③ 所有する知識財産権が少なく、核心技術は国外のグローバル企業に負っている。
④ ふっ素樹脂の研究開発製造面では、品質が劣る。特に先進製品ほど劣る。
⑤ ふっ素ゴム製品についても品種が少なく、先進製品ほど品質が劣る。
⑥ ファインふっ素化学品についても先進製品ほど外国企業に比べて品質の差が大きい。
・ 中国のふっ素産業の実情を認識し今後の発展を考える際、次の3つの事項について対策をとるべきだ。
① 粗放発展モデルの改編。蛍石資源は中国の戦略資源であり、その資源が豊富な利点を生かして、産業構造変革を中心に、科学技術を用いて、飛躍的発展を遂げる。
② 製品の高付加価値化推進。海外企業や国内の優秀企業を見ると、高い技術力、人材、環境保護などの企業総合力を具えることが必要である。
③ 国内外の優秀な人材の招聘や人材育成。内外の力の差を縮める研究開発が必要であるとともに、自身の持つ先進技術に特化して開発を進めることができれば、差を縮めることは容易。また、知財権の保護体制も進めるべき。
