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ニュース・フラッシュ

2012年11月15日 モスクワ 大木雅文

ロシア:連邦地下資源利用庁、企業の地質調査促進策を模索

 2012年11月8日付け現地報道によると、連邦地下資源利用庁(Rosnedra)は、企業による地質調査を促進する法改正の準備を行う。
 地質調査には毎年5,000億ルーブルの投資が必要だが、現在の投資額はその半分にも満たない。11月7日、Rosnedraのポポフ長官が全ロシア地質学者会議で記者団に伝えた。
 同長官は「作業は始まったばかりであり、改正案がいつできるかを今述べるのは難しい」また、「問題の解決案は幾つかある。第一案は官民パートナーシップを構築すること、第二案は全てを企業に委ねることである。」としている。
 地質調査部門が総じて問題山積であることを天然資源環境省のデニス・フラモフ次官は隠そうとしなかった。炭化水素の埋蔵量増加の大半は専ら古い鉱床の追加探査によるもので、新鉱床発見によるものではない。同次官は「独占化の度合いが非常に高い。この部門の有力企業はあまりに大きな未開発資源の埋蔵量を有しているため、これら企業にとっては新規鉱床の調査に投資しても意味がない」と述べた。
 同次官によると、こうした中、地質調査分野は岐路に立っており、「鉱物調査への投資を奨励することで民間による取り組みの発展を継続するか、資金調達と鉱物資源基盤再生における政府の役割を復活させるか」であるとし、民間企業が自ら進んで投資を行うようにするためには地質調査に対する鉱物採取税を控除すべきであるとの提案を行った。また、地質情報の自由な流通と、自己資金により発見された鉱床の調査及び開発の権利付与を保証しなければならないと言及した。二つめの案には、政府は企業に対し資源賦存に関する地域調査資料、地図製作資料を提供する義務があり、企業は鉱物探査、埋蔵量評価、調査及び採掘を担うとした。 しかし、同次官の結論は複合的アプローチの実施で、「政府は可能な分だけ資金を提供し、それを重要プロジェクトに集中させる。地質調査には、国家予算のほかに民間投資も求め、その見返りとして企業は、鉱物採取税の控除、行政手続きの障壁低減を受けることができる」との可能性を示した。

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