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英国:Johnson Matthey社、白金の需給分析を発表
英国の貴金属製錬・加工大手Johnson Matthey社(本社:ロンドン)は2012年11月13日、2012年の白金需給の中間報告と2013年の見通しを発表した。白金の需給分析は以下のとおりである:
2012年の白金の需給については、供給は対前年比10%減の584万oz、総需要(中古品回収を含む)は同0.3%減でほぼ横ばいの807万oz、需給バランスは40万ozの供給不足に転じたと分析した。
供給面を各国別にみると、南アの鉱山生産量はストライキによる操業停止が大きく影響し、対前年比12%減の425万ozとなり、11年ぶりの低水準となる。その他の地域においては、生産量に大きな変化はなく、鉱石の低品位化が予想されるロシアでは対前年比5%減、2011年に大幅な増産があった北アメリカは同3%減、新規鉱山の開始があったジンバブエでは同6%増であった。
需要面を用途別にみると、自動車触媒用に関しては、欧州における自動車生産の落ち込みやディーゼル車の市場シェアの縮小による需要減を日本メーカーの震災からの立ち直りやインドにおけるディーゼル車生産の急成長がほぼ相殺した形となり、対前年比1%減の307万ozとなった。また産業用の需要に関しては、オフロード(non-road)排出ガス制御用での需要増が見込まれるが、ガラス製造部門や電気機器部門での需要減により、対前年比13%減の178.5万ozとなった。
一方で、宝飾用白金需要は、中国で新規小売店用の需要が拡大し対前年比14%増となった。またインドでは宝飾用需要の拡大が継続し、白金宝飾品の製造業及び小売業が増加しており、世界全体の宝飾用白金需要は対前年比10%増の272.5万ozであった。投資用白金需要は白金価格にほぼ連動した推移を見せており、対前年比7%増の49万ozであった。中古品からの白金回収は、自動車触媒回収業者が白金価格の上昇を見込んで、売却せずにため込んでいることや、日本で中古宝飾品の回収量が減少することから、全体で対前年比11%減の183万ozと予想した。
2013年の見通しについては、供給面では、南アにおけるストライキの影響や業界再編の可能性があることから、供給量の増加を期待することは難しい。需要面では、自動車触媒用及び産業用での白金需要が堅調で小幅な増加が見込まれる。概して、2013年の白金の需給バランスはリサイクル量が重要な鍵となると考えられる。また、今後、6か月間の白金価格に関しては、平均1,625 US$/oz(1,400~1,800 US$/oz)と予想した。
白金需給(2011、2012年)(単位:千oz)
2011年 | 2012年 | 対前年比(%) | |
白金供給 | 6,480 | 5,840 | -9.9 |
白金総需要 | 8,095 | 8,070 | -0.3 |
(回収分) | 2,045 | 1,830 | -10.5 |
白金純需要 | 6,050 | 6,240 | 3.1 |
需給バランス | 430 | -400 |